专利摘要:
潤滑油、ガソリン及びディーゼル燃料を含む有機材料のための付着抑制潤滑添加剤として使用されるアルキル化1,3−ベンゼンジアミン化合物。本発明は、アルキル化1,3−ベンゼンジアミン化合物を添加することによって潤滑剤及び燃料の酸化安定性を向上させる。アルキル化1,3−ベンゼンジアミン化合物は、中心芳香族環の4及び/又は6位をアルキル化する触媒水素化を使用して生成される。
公开号:JP2011506453A
申请号:JP2010538043
申请日:2008-12-01
公开日:2011-03-03
发明作者:アボット、ロナルド、ディー.;スティーブラー、ジョセフ、エフ.;プラット、クリフフォード、エム.;ロウランド、ロバート、ジー.
申请人:ケムチュア コーポレイション;
IPC主号:C07C209-68
专利说明:

[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、2008年9月22日に出願された米国出願第12/212,131号及び2007年12月12日に出願された米国出願第12/001,951号の優先権を主張するものである。これらの出願のそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれている。]
[0002] 本発明は、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンに関し、より具体的にはアルキル化N1,N3−ジシクロアルキル−1,3−ベンゼンジアミン及びそれらの製造方法に関する。当該アルキル化1,3−ベンゼンジアミンを、例えば、潤滑剤、電子工業用化学物質、ウレタン、作物保護、医薬品、染料及びトナーのための抗酸化剤、安定剤及びオゾン分解防止剤として使用することができる。]
[0003] 発明の背景
様々な機械類に使用される潤滑剤などの潤滑剤は、保管、輸送及び使用中に、特に、当該潤滑剤が、それらの酸化を著しく促進させる高温及び鉄触媒環境に曝されると酸化劣化を被りやすい。この酸化は、制御されなければ、腐食性の酸性生成物、スラッジ、ワニス、樹脂及び他の油不溶性生成物の生成の一因となり、潤滑剤の指定した物理特性及び摩擦特性の劣化を招き得る。これらの酸化生成物は、ピストン、ピストンライナー、バルブ及びバルブリフターなどの重要エンジン部品への有害な付着物の生成を招き得る。したがって、潤滑剤の有効寿命を延ばすように、酸化を少なくともある程度防止するために、付着抑制添加剤及び抗酸化添加剤を潤滑剤に含めることが慣例である。]
[0004] 様々な二級ジアリールアミンを抗酸化剤として含む潤滑組成物が、当技術分野で広く知られている。その全内容及び開示内容が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第2,718,501号明細書、同第2,883,362号明細書、同第3,211,793号明細書、同第3,304,285号明細書及び同5,711,767号明細書、米国公開第2006/0128574号明細書、同第2006/0189824号明細書及び同第2007/0006855号明細書、GB1296592及びGB0835826及びJP59020392に例示されているように、1,4−ベンゼンジアミンの使用も知られている。1,4−ベンゼンジアミンは、より一般的には、モータ燃料安定剤並びにゴムのオゾン分解防止剤及び抗酸化剤として採用されてきた。抗酸化剤としての使用に好適であると記載された1,3−ベンゼンジアミンの報告は殆どない。]
[0005] 米国特許第2,451,642号明細書には、鉄触媒酸化反応が起こり得る環境で使用される潤滑油組成物のための有用な抗酸化剤としてのメタフェニレンジアミン、N1,N3−ジメチル−メタ−フェニレンジアミン及びラウリル−メタ−フェニレンジアミンが開示されている。N,N’−ジメチル−オルト−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−パラ−フェニレンジアミン並びに様々なジ−及びテトラ−n−アルキル−パラ−フェニレンジアミンも同様に開示されている。]
[0006] 米国特許第2,857,424号明細書には、添加剤をより低毒性にする手段としての燃料安定化N,N’−ジアルキル−パラ−フェニレンジアミンのシュウ酸塩の調製が開示されている。N,N’−ジシクロヘキシル−パラ−フェニレンジアミンのシュウ酸塩の調製が開示されている。他の不特定のジシクロアルキルオルト−、メタ−及びパラ−フェニレンジアミンのシュウ酸塩の調製も考えられる。]
[0007] Oberster,A.E.ら、45 CAN.J.CHEM.195〜201(1967)は、過敏物質又は皮膚毒ではないゴムのためのオゾン分解防止剤を見いだすためのプログラムの一部として39種の新規なフェニレンジアミンを調製した。いくつかの化合物において、N’−フェニレンジアミンの窒素が、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン(ホモピペリジン)、モルホリン又は2,6−ジメチルモルホリン環に様々に縮合された。それぞれの場合において、N−シクロヘキシル化合物が調製された。]
[0008] 米国特許第3,402,201号明細書には、有機材料、特にゴムの安定剤としてのN,N’−ジシクロオクチル−p−フェニレンジアミンが開示され、ガソリン阻害剤としてのその使用が例示されている。N,N’−ジシクロオクチル−o−及びm−フェニレンジアミンの同様の使用も考えられる。]
[0009] Makogon,A.N.ら、12 KHEMICHESKAYAPROMYSHLENNOST,SERIYA:METODY ANALIZAIKONTROLYA KACHESTVA PRODUKTSII V KHIMICHESKOI PROMYSHLENNOSTI 18〜21(1980)には、C7〜C9アルコールを用いた4−アミノジフェニルアミンの触媒アルキル化によって得られたN,N’−ジアルキル−パラ−フェニレンジアミン反応生成物の特徴付けが記載されている。]
[0010] 米国特許第4,487,759号明細書には、下記構造の特定の三級フェニレンジアミンの使用が開示されている。]
[0011] 特に、N,N’,N’−トリアルキル−N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン(例えばN,N’−ジデシル−N’−オクチル−N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン)は、マイクロカプセル化送達系に含まれる不飽和昆虫フェロモンのための光安定剤として使用される。]
[0012] 米国特許第5,207,939号明細書及び同第5,312,461号明細書には、潤滑油、グリース及び燃料組成物に抗酸化量で使用することができるモノ−若しくはジアルキル−フェニレンジアミン、アルデヒド又はケトン及びヒンダードフェノールの特定のマンニッヒ塩基反応生成物が開示されている。具体的には、フェニレンジアミン化合物は、下記式を有する。]
[0013] 日本特許第59−020,392号明細書には、油タンクの加圧形成のための、N,N’−ジ−sec−ブチル−パラ−フェニレンジアミンを含む潤滑剤組成物が開示されている。潤滑剤組成物は、ヒンダードフェノール抗酸化剤も含む。]
[0014] 上述の開示内容は、参照により組み込まれている。]
[0015] フェニレンジアミンは、抗酸化剤として効果的に作用することが知られているが、当該化合物の存在は、それらが抗酸化性をもたらすのに従来使用される量で使用されると、ピストン付着及びワニス制御に悪影響を与えるとともにフルオロエラストマーエンジンシール材料に対する攻撃性を示したため、これらの化合物は商業的に不利であることが判明した。これらの悪影響は、窒素含有量の大きいフェニレンジアミン化合物(ヒドロカルビル置換基が比較的少ない化合物)を用いた場合に特に明らかである。元の装置製造者(OEM)によって設定される旅客車ディーゼルエンジン潤滑油(PCDO)に対する最近の潤滑油仕様は、潤滑剤のリンの量を(例えば800ppm未満に)抑えることを必要としてきた。今日まで、高荷重ディーゼル(HDD)エンジンに対する潤滑油仕様は、リン含有量を制限してこなかったが、次世代の潤滑油仕様(例えばAPI CJ−4)は、リン含有量を制限することが予測される。リン含有量に対する予測される(例えば1200ppm以下への)制限並びに硫酸灰分(SASH)及び硫黄の許容可能量の低減は、潤滑剤配合者が使用できる最もコスト効率の良い耐摩耗/抗酸化化合物の1つであるジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)の量を制限することになる。]
[0016] 発明の簡単な概要
本発明の第1の側面において、1,3−ベンゼンジアミン化合物をアルキル化するための方法であって、第1のカルボニル化合物と1,3−ベンゼンジアミン化合物とを反応させて中間体を形成するステップであって、第1のカルボニル化合物が、1,3−ベンゼンジアミンのそれぞれの窒素上で置換されているステップ、及び第2のカルボニル化合物と該中間体とを水素及び水素化触媒の存在下で反応させてアルキル化1−3−ベンゼンジアミンを形成するステップであって、第2のカルボニル化合物が、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンの中心芳香族環上で置換されるステップを含む方法が提供される。第1及び第2のカルボニル化合物は、アルデヒド及びケトンから選択される。]
[0017] 本発明の第2の側面において、下記一般式を有する化合物が提供される。




[式中、R1及びR2は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R5及びR6は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5及びR6の少なくとも一方が水素ではない]。]
[0018] 本発明の第3の側面において、下記一般式を有する化合物が提供される。




[R1及びR2は、独立に、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ、構造:




及び−R12CO2R13からなる群から選択され;
R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ、構造:




及び−R12CO2R13からなる群から選択され;
mは1から8の整数であり、各Qは(C)(R9)(R10)であり、各R9及びR10は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール及びC5〜C36ヘテロシクロからなる群から選択され;
R11は、水素、酸素、ハロゲン、H、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;
R12は、C1〜C20アルキル又はアルケニル基であり、R13は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;但し、R12は、−CH2CH2−又はCH2CH(CH3)−ではなく;
R5、R6及びR7は、独立に、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが水素ではなく、
但し、アミンは、相互に対して中心芳香族環上の1、3位に位置する]。]
[0019] 一態様において、1,3−ベンゼンジアミンは、2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン及び2,5−トルエンジアミンからなる群から選択されるトルエンジアミンから誘導される。]
[0020] 本発明の第4の側面において、1,3−ベンゼンジアミン化合物をアルキル化するための方法であって、一般式:




を有するアルデヒド;及び一般式:




を有するケトンからなる群から選択されるカルボニル化合物を用意するステップであって、
式中、R15及びR16は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ、及びR15とR16を縮合させてC4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール又はC5〜C20ヘテロシクロを生成することによって生成された環状化合物からなる群から選択されるステップ;並びにカルボニル化合物と1,3−ベンゼンジアミン化合物とを水素及び水素化触媒の存在下で反応させて、一般式:




を有する構造を生成するステップであって、
式中、R1及びR2は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R5及びR6は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され;但し、R5及びR6の少なくとも一方が水素ではないステップを含む方法が提供される。]
[0021] 本発明の第5の側面において、1,3−ベンゼンジアミン化合物をアルキル化するための方法であって、一般式:




を有するアルデヒド;及び一般式:




を有するケトンからなる群から選択される第1のカルボニル化合物を用意するステップであって、
式中、R15及びR16は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ、及びR15とR16を縮合させてC4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール又はC5〜C20ヘテロシクロを生成することによって生成された環状化合物からなる群から選択されるステップ;
一般式:




を有するアルデヒド;及び一般式:




を有するケトンから選択される第2のカルボニル化合物を用意するステップであって、
式中、R15及びR16は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ、及びR15とR16を縮合させてC4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール又はC5〜C20ヘテロシクロを生成することによって生成された環状化合物からなる群から選択され、
第1のカルボニル化合物は、第2のカルボニル化合物と異なるステップ;
第1のカルボニル化合物と1,3−ベンゼンジアミン化合物とを水素及び水素化触媒の存在下で反応させて、




からなる群から選択される一般式を有する中間体を生成するステップ;並びに
第2のカルボニル化合物と該中間体化合物とを水素及び水素化触媒の存在下で反応させて、




からなる群から選択される一般式を有するアルキル化1,3−ベンゼンジアミン化合物を生成するステップであって、
Z=H及びa=0、1又は2であるステップを含む方法が提供される。]
[0022] 本発明の第6の側面において、潤滑油組成物の全質量に基づいて80重量%から99.99重量%の量の潤滑粘度の少なくとも1つの基礎原料;及び該組成物の全質量に基づいて0.01重量%から6重量%の量の抗酸化剤を含む潤滑油組成物であって、抗酸化剤は、下記一般式を有する構造(I)を有する少なくとも1つの化合物を含む潤滑油組成物が提供される。




[式中、R1及びR2は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R5及びR6は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5及びR6の少なくとも一方が水素ではない]。]
[0023] 本発明の第7の側面において、N1,N3−ジアルキル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンが提供される。一態様において、N1,N3−ジアルキル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンは、N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミンなどのN1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンを含む。]
[0024] 本発明の第8の側面において、潤滑油組成物の全質量に基づいて80重量%から99.99重量%の量の潤滑粘度の少なくとも1つの基礎原料;及び該組成物の全質量に基づいて0.01重量%から6重量%の量のN1,N3−ジシクロアルキル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンを含む潤滑油組成物が提供される。
好適な態様の詳細な説明]
[0025] 序文
本発明は、一般には、アルキル化1,3−ベンゼンジアミン及び1,3−ベンゼンジアミンをアルキル化するための方法に関する。一態様において、1,3−ベンゼンジアミンは、二級アミン基を生成するための還元剤の存在下でアルデヒド又はケトンを用いてアルキル化される。場合により、1,3−ベンゼンジアミンは、触媒水素化を使用して、アルデヒド又はケトンと反応される。いずれの場合も、そのベンゼン成分ではなく、1,3−ベンゼンジアミンの窒素が選択的にアルキル化される。次いで、得られたN1,N3−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミン生成物が、触媒水素化を使用してアルデヒド又はケトンと反応される。この第2のアルキル化ステップは、N1,N3−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンのアミン基をアルキル化することが同様に予測されるが、驚いたことに、そして予想外に、第1のアルキル化ステップと異なり、第2のアルキル化ステップは、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンの中心芳香族環を選択的にアルキル化することが判明した。したがって、該方法は、N1,N1,N3,N3−アルキル化−1,3−ベンゼンジアミンよりN1,N3−ジアルキル化−4,6−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンを優先的に生成する。]
[0026] 新規なアルキル化ベンゼンジアミン
本発明の態様によれば、1,4−置換ベンゼンジアミンのみならず、1,2及び1,3−置換ジアミンに対しても有意な付着抑制が見いだされた。中心芳香族環が置換されたベンゼンジアミンは、高活性付着抑制剤であることも判明した。]
[0027] 概して、本発明による組成物は、酸化劣化を被る流体、及び付着物の生成に対して流体を安定化させるのに十分な量の少なくとも1つのN−置換ベンゼンジアミン添加剤を含む。一態様において、N−置換ベンゼンジアミンは、遊離塩基又は油溶性の塩の形である。N−置換ベンゼンジアミン添加剤は、下記式を有する。]
[0028] R1及びR2は、独立に、直鎖状又は分枝状C1〜C36アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C36アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C36シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C36アリール、置換された又は非置換のC5〜C36ヘテロシクロ、構造:




[式中、mは1から8の整数であり、各Qは(C)(R9)(R10)であり、各R9及びR10は、独立に、水素、ハロゲン、直鎖状又は分枝状C1〜C36アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C36アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C36シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C36アリール及び置換された又は非置換のC5〜C36ヘテロシクロからなる群から選択される];




[式中、R11は、水素、酸素、ハロゲン、H、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール、置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される];及び
−R12CO2R13[式中、R12は、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキルアルケニル基であり、R13は、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール、置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;但し、R12は、−CH2CH2−又はCH2CH(CH3)−ではない]からなる群から選択される。]
[0029] R3及びR4は、独立に、水素、直鎖状又は分枝状C1〜C36アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C36アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C36シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C36アリール、置換された又は非置換のC5〜C36ヘテロシクロ、構造:




[式中、Q、m及びR11は、上に定義されている];及び−R12CO2R13[式中、R12及びR13は、上に定義されている]からなる群から選択される。]
[0030] R5、R6、R7及びR8は、独立に、直鎖状又は分枝状C1〜C36アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C36アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C36シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C36アリール、置換された又は非置換のC5〜C36ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが水素ではない。]
[0031] 一態様において、アミンは、相互に対して中心芳香族環上の1、3位に位置する。]
[0032] シクロアルキル、アリール及びヘテロシクロ基は、ハロゲン、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル及び直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニルで置換されていてよい。一態様において、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクロ基は、直鎖状又は分枝状C1〜C12アルキル基で置換されていてよい。ハロゲンは、F、Cl、Br及びIからなる群から選択され得る。]
[0033] 一態様において、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロシクロ基は、いずれもN、O及びSからなる群から選択される1つ又は複数のヘテロ原子を含むことができる。]
[0034] R基のいずれかに対して本明細書に使用されるアルキル基の代表例としては、例えば、1から36個、例えば1から20個の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状炭化水素鎖ラジカル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、1,3−ジメチルブチル、1,4−ジメチルペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、1,5−ジメチルヘキシル及びヘキシル等、それらの混合物及び異性体等が挙げられる。]
[0035] R基のいずれかに対して本明細書に使用されるアルケニル基の代表例としては、例えば、1から36個、例えば2から20個の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状炭化水素鎖ラジカル、例えば、エチリデン、プロペニル、2−メチル−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等、それらの混合物及び異性体等が挙げられる。当該アルケニル基は、アリル及びメチルアリルを含むこともできる。アルケニル基は、1つ又は複数の二重結合を有することができ、ジアルケニル基、トリアルケニル基、テトラアルケニル基等を含むことができる。]
[0036] R基のいずれかに対して本明細書に使用されるシクロアルキル基の代表例としては、例えば、4から36個、例えば4から20個の炭素原子を含む置換された又は非置換の環、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−メチル−シクロヘキシル、n−ジメチル−シクロヘキシル、n−エチル−シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等、それらの混合物及び異性体等が挙げられる。]
[0037] R基のいずれかに対して本明細書に使用されるアリール基の代表例としては、例えば、5から36個、例えば5から20個の炭素原子を含む置換された又は非置換の芳香族環、例えば、フェニル、n−メチルフェニル、n−ジメチルフェニル、n−エチルフェニル、ベンジル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、ビフェニル等、それらの混合物及び異性体等が挙げられる。]
[0038] R基のいずれかに対して本明細書に使用されるヘテロシクロ基の代表例としては、例えば、5から36個、例えば5から20個の炭素原子を含む置換された又は非置換の環、例えば、フルフリル及びテトラヒドロフルフリルが挙げられる。]
[0039] 一態様において、例えば、下記式を有するアルキル化1,3−ベンゼンジアミンが存在する。




[式中、R1及びR2は、独立に、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール、置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール及び置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R5及びR6は、独立に、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール、置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5及びR6の少なくとも一方が水素ではない]。一態様において、R3及びR4は、好ましくは水素である。]
[0040] 一態様において、R5及びR6は、3から6個の炭素を有する分枝状又は非分枝状アルキル基、或いはアルキル置換された5から8個の炭素のアリール基などの同一の置換基である。同様に、R3及びR4は、シクロヘキシル又は1,3−ジメチルブチルなどの同一の置換基であってよく、R5及びR6は、水素などの同一の置換基であってよい。]
[0041] 好ましくは、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、窒素含有量又は平均窒素含有量が、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンの全重量に基づいて、約2から約15重量パーセント(重量%)、例えば約5から約11重量%又は約5.5から約10.5重量%である。]
[0042] 一態様において、本発明のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、下記一般式を有する。




[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上に定義されており、R14は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される]。]
[0043] 一態様において、本発明のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、




からなる群から選択される一般式を有する。
[式中、m及びnは、独立に、0、1、2又は3であり、R3、R4、R5及びR6は、独立に、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール、置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5及びR6の少なくとも一方が水素ではなく;R8及びR9は、独立に、水素、ハロゲン、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール及び置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される]。一態様において、R5又はR6は、いずれも水素ではない。R8及びR9のいずれか又は両方がハロゲンであってよい。]
[0044] 別の態様において、本発明のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、




からなる群から選択される一般式を有する。
[式中、m及びnは、独立に、0、1、2又は3の整数であり、p及びqは、独立に、0から18の整数であり、R3、R4、R8及びR9は、独立に、水素、ハロゲン、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール及び置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される]。R8及びR9のいずれか又は両方がハロゲンであってよい。]
[0045] 別の態様において、本発明のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、




からなる群から選択される一般式を有する。
[式中、m及びnは、独立に、0、1、2又は3であり、xは、2から18の整数であり、R3、R4、R8及びR9は、独立に、水素、ハロゲン、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール及び置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される]。]
[0046] 別の態様において、本発明のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、




及び




からなる群から選択される一般式を有する。
[式中、p及びqは、独立に、0から18の整数であり、r及びsは、独立に、1又は2の整数であり、R3及びR4は、独立に、水素、ハロゲン、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、置換された又は非置換のC4〜C20シクロアルキル、置換された又は非置換のC5〜C20アリール及び置換された又は非置換のC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される]。]
[0047] 本発明のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、式(I)〜(XIII)からなる群から選択される一般式を有してよいことが理解されるべきである。]
[0048] 例示的な態様において、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、下記式の1つである。








アルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミン又はN1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミンなどのN1,N3−ジアルキル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンを含むことができる。4,6−ジアルキル置換基は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される。]
[0049] 本発明の例示的なアルキル化1,3−ベンゼンジアミンとしては、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−エチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−エテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−プロペニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ヘプテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ベンジル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−フルフリル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジメチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジエチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジプロピル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブテニル−6−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジエテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジプロペニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジイソブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジヘプテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジベンジル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジフルフリル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−エチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−ヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−エテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−プロペニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−イソブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−ブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−ヘプテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−ベンジル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−フルフリル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジメチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジエチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジプロピル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−イソブテニル−6−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジエテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジプロペニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジイソブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジヘプテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジベンジル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4,6−ジフルフリル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−エチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−エテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−プロペニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ヘプテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ベンジル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−フルフリル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジメチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジエチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジプロピル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブテニル−6−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジエテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジプロペニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジイソブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジヘプテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジベンジル−1,3−ベンゼンジアミン;及びN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジフルフリル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−エチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−エテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−プロペニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ヘプテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ベンジル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−フルフリル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジメチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジエチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジプロピル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブテニル−6−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3
−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジエテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジプロペニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジイソブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジブテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジヘプテニル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジベンジル−1,3−ベンゼンジアミン;及びN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジフルフリル−1,3−ベンゼンジアミンが挙げられるが、それらに限定されない。]
[0050] 本発明の一態様は、以上に特定されている構造及び化合物から選択される2つ以上のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンの混合物を含む組成物に向けられる。当該混合物は、重量比が例えば5:4から4:1、例えば5:3から3:1又は約2:1の2つの異なるアルキル化1,3−ベンゼンジアミンを含むことができる。例示的な態様において、該混合物は、N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン及びN1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブテニル−6−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミンを5:4から4:1、例えば5:3から3:1又は約2:1の重量比で含む。]
[0051] 様々な態様において、以上に示されているように、本発明は、トルエンジアミンから誘導された新規なアルキル化1,3−ベンゼンジアミン化合物に向けられる。好適なトルエンジアミンとしては、2,6−トルエンジアミン、2,4−トルエンジアミン及び2,5−トルエンジアミンが挙げられる。当該態様において、トルエンジアミンは、下記一般式を有する。




[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、上に定義されており、但し、アミンは、相互に対して中心芳香族環上の1、3位に位置する]。]
[0052] 一態様において、アルキル化ベンゼンジアミン化合物は、2,6−トルエンジアミン(2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)から誘導され、下記一般式を有する。




[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、上に定義されている]。
一態様において、アルキル化ベンゼンジアミン化合物は、2,4−トルエンジアミン(2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)から誘導され、下記一般式を有する。




[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、上に定義されている]。]
[0053] 例示的な実施形態において、トルエンから誘導されたアルキル化1,3−ベンゼンジアミンは、下記式の1つである。]
[0054] 本発明のトルエンから誘導された例示的なアルキル化1,3−ベンゼンジアミンとしては、N1,N3−ジシクロヘキシル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−エチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−プロピル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ヘプチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−エテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−プロペニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ヘプテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ベンジル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−フルフリル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−エチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−プロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ヘプチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−エテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−プロペニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ヘプテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ベンジル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロヘキシル−4−フルフリル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−プロピル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−ブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−イソブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−イソブテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−プロピル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−ブチル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−イソブチル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−ジシクロペンチル−4−イソブテニル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−エチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−プロピル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ヘプチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−エテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−プロペニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ヘプテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ベンジル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−フルフリル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−エチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−プロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ヘプチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−エテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−プロペニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ヘプテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ベンジル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン;及びN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−フルフリル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンが挙げられるが、それらに限定されない。]
[0055] アルキル化1,3−ベンゼンジアミンを生成するための方法
本発明は、また、一般には、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンを生成するための方法に関する。一態様において、該方法は、N,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンをアルキル化することを含む。アルキル化ステップは、好ましくは、N,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンとカルボニル化合物、即ちアルデヒド又はケトン及び水素とを、N,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンのベンゼン環を好ましくはその4及び/又は6位にて選択的にアルキル化するのに有効な触媒水素化条件下で反応させることを含む。]
[0056] 本明細書に使用されているように、アルキル化(alkylating)又はアルキル化(alkylation)という用語は、主に炭化水素構造を含む置換基を付加することを指す。これは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロシクロ基を付加することを含むが、それに限定されない。一態様において、アルキル化は、アルキル基で置換されており、且つ/又は1つ又は複数のハロゲン又はヘテロ原子を含むシクロアルキル又はアリール基を付加することを指すことができる。]
[0057] 1,3−ベンゼンジアミンを生成するための方法は、良く知られており、硝酸でベンゼンを硝化した後に、水素化することを含むことができる。一態様において、本発明は、1,3−ベンゼンジアミンから始まる多ステップアルキル化法に向けられる。本態様において、1,3−ベンゼンジアミンは、各アミンを還元することによってN,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンを生成するための第1のアルキル化ステップでアルキル化される。次いで、得られたN,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンは、N,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンのベンゼン環を好ましくはその4及び/又は6位にて選択的にアルキル化するための触媒水素化を使用してN,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンとカルボニル化合物とを反応させることによって第2のアルキル化ステップでアルキル化されて、最終的なN,N’−ジアルキル化−4−アルキル化−1,3−ベンゼンジアミン生成物又はN,N’−ジアルキル化−4,6−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミン生成物を生成する。]
[0058] 第1のアルキル化ステップにおいて、還元アルキル化、又は触媒水素化を介するアルキル化を用いて、アルキル化1,3−ベンゼンジアミン中間体を形成することができる。カルボニル化合物を用いて1,3−ベンゼンジアミンを還元アルキル化するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているAbdel−Majid,A.F.ら、61 J.ORG.CHEM.3849〜62(1996)に開示されている。様々な出発材料を用いて所望の反応を達成するために、化学量論組成、反応時間及び反応温度の調整が必要であり得ることを当業者なら認識するであろう。]
[0059] 当該還元アルキル化法のための好適な還元剤としては、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB−H)、ナトリウム−シアノ水素化ホウ素、ボラン−ピリジン、Ti(OiPr)4/NaBH3CN、Zn/AcOH、NaBH4/Mg(ClO4)2、Zn(BH4)2/ZnCl2及び水素化ホウ素交換樹脂が挙げられる。一態様において、第1のアルキル化ステップは、STAB−Hを採用する。]
[0060] 当該還元アルキル化法において、カルボニル化合物は、一般式:




を有するアルデヒド、又は一般式:




を有するケトンを含むことができる。上式において、R15及びR16は、上に定義されているR1〜R8のいずれかから選択される。一態様において、R15及びR16は、独立に、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル(例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される。場合により、R15とR16が縮合されて、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール又はC5〜C20ヘテロシクロなどの環状化合物を生成する。例示的な環状化合物としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。一態様において、ケトンは、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソアミルケトン(MIAK)、シクロペンタノン又はシクロヘキサノンであってよい。]
[0061] いくつかの態様において、還元アルキル化法は、1つ又は複数の溶媒を使用することができる。好適な溶媒としては、例えば、キシレン、1−2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルが挙げられる。例えば、回転式蒸発又は他の分離技術によって溶媒を反応混合物から除去することができる。]
[0062] 混合温度及び時間は、使用される化合物に応じて大きく異なり得る。例えば、還元剤を25℃から80℃、例えば40℃から50℃又は約35℃の温度で1時間から10時間、例えば2から8時間又は3から5時間にわたって1,3−ベンゼンジアミンとアルデヒド/ケトンの混合物に添加することができる。]
[0063] 別の態様において、第1のアルキル化ステップは、上記還元アルキル化法の代わりに、1,3−ベンゼンジアミンをカルボニル化合物、即ちアルデヒド又はケトンと水素及び水素化触媒の存在下で反応させる触媒水素化を含む。本態様において、1,3−ベンゼンジアミンとカルボニル化合物とを水素及び水素化触媒の存在下で反応させる。還元アルキル化法と同様に、窒素原子上でアルキル化される(即ち、二級アミンを有する)1,3−ベンゼンジアミンを合成することができる。]
[0064] 当該触媒水素化において、カルボニル化合物は、一般式:




を有するアルデヒド、又は一般式:




を有するケトンを含むことができる。上式において、R15及びR16は、上に定義されているR1〜R8のいずれかから選択される。一態様において、R15及びR16は、独立に、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル(例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される。場合により、R15とR16が縮合されて、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール又はC5〜C20ヘテロシクロの環状化合物、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルを生成する。一態様において、ケトンは、MIBK、MIAK、シクロペンタノン又はシクロヘキサノンであってよい。]
[0065] 好適な水素化触媒としては、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム又はニッケル触媒が挙げられる。一態様において、触媒は、支持触媒を含む。触媒支持体は、例えば、炭素、アルミナ、シリカ、アルミノ珪酸塩等を含むことができる。]
[0066] 触媒水素化は、好ましくは、加圧反応器にて実施される。一態様において、反応器は、100〜30000キロパスカル(KPa)の水素、例えば500〜10000KPa又は3500〜5000KPaを用いて加圧される。]
[0067] 触媒水素化の温度は、好ましくは、20℃から300℃、例えば、80℃から250℃又は120℃から220℃の範囲である。]
[0068] 以上に示されているように、第1のアルキル化ステップにおいて、アルデヒド又はケトンは、1,3−ベンゼンジアミンの一級アミン基に選択的に付加し、二級アミン中間体化合物を形成する。中間体の継続的なアルキル化は、還元アルキルによるものであっても、水素化によるものであっても、同様にN,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンの窒素位に選択的に付加して三級アミンを生成することが予想される。]
[0069] しかし、ここで驚いたことに、そして予想外に、カルボニル化合物、即ちアルデヒド又はケトンを用いてN,N’−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミン中間体を触媒水素化すると、下記比較合成に示されるように、アミン基上のアルキル化ではなく、ベンゼン基の選択的アルキル化が生じることが判明した。特に、アルキル化は、中心芳香族基の4及び/又は6位に特異的である。




[式中、R’及びR”は、本出願全体を通じて定義されている任意の好適な置換基を表す]。]
[0070] N,N’−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミン中間体の触媒水素化のための好適なカルボニル化合物としては、下記構造を有するアルデヒド及びケトン:
一般式:




を有するアルデヒド;及び一般式:




を有するケトンが挙げられる。上式において、R15及びR16は、上に定義されているR1〜R8のいずれかから選択される。一態様において、R15及びR16は、独立に、直鎖状又は分枝状C1〜C20アルキル、直鎖状又は分枝状C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル(例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択される。場合により、R15とR16が縮合されて環状化合物、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルを生成する。]
[0071] アルデヒド又はケトンとN,N’−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミン中間体とのモル比は、5:1から1:5、例えば、3:1から1:3又は2:1から1:2であってよい。]
[0072] 当該触媒水素化において、好適な水素化触媒としては、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム又はニッケル触媒が挙げられる。一態様において、触媒は、支持触媒を含む。触媒支持体は、例えば、炭素、アルミナ、シリカ、アルミノ珪酸塩等を含むことができる。]
[0073] 中間体の触媒水素化は、好ましくは220KPaを超える圧力、例えば375KPaを超える圧力又は650KPaを超える圧力を有する加圧反応器にて実施されるのが好ましい。範囲に関しては、反応器は、場合により100〜30000KPa、例えば500〜10000KPa又は3500〜5000Kpaの水素で加圧される。]
[0074] 触媒水素化の温度は、好ましくは、20℃から300℃、例えば80℃から250℃又は120℃から220℃の範囲である。一態様において、中間体の中心芳香族成分をアルキル化するための触媒水素を、一級アミンをアルキル化するための触媒水素より高い温度で保持することができる。より高い温度は、10℃から100℃、例えば25℃から75℃又は40℃から60℃高くてよい。]
[0075] 一態様において、カルボニル化合物と1,3−ベンゼンジアミンとの反応は、2つの個別の触媒水素化法を含む。当該方法は、上に定義されているアルデヒド及びケトン式から第1及び第2のカルボニル化合物を調製し、第1のカルボニル化合物が第2のカルボニル化合物と異なることを含むことができる。一態様において、第1のカルボニル化合物は、MIBK、MIAK、シクロペンタノン又はシクロヘキサノンなどのケトンであってよく、第2のカルボニル化合物は、イソブチルアルデヒド又はブチルアルデヒドなどのアルデヒドであってよい。第1のカルボニル化合物は、上に定義されている触媒水素化条件下で1,3−ベンゼンジアミン化合物と反応して、




からなる群から選択される中間体を生成する。上式において、R15及びR16は、上に定義されている通りである。示されるように、中間体は、2つの二級アミンを含む。次に、第2のカルボニル化合物は、上に定義されている触媒水素化条件下で中間体と反応して、




からなる群から選択される一般式を有するアルキル化1,3−ベンゼンジアミン化合物を生成する。上式において、R15及びR16は、上に定義されている通りであり、Z=Hであり、a=0、1又は2である。aが0又は1であるときは、CとそれぞれのR基との間に多重結合が存在し得ることが理解される。]
[0076] いくつかの態様において、本発明の方法は、ベンゼン基の4及び6位の両方ではなく、4位のみにおいて選択的にアルキル化する。例えば、N,N’−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンと反応するために利用可能なアルデヒド又はケトンの量を減少させることによって、4位における選択的アルキル化を優先させることができる。例えば、アルデヒド又はケトンとN,N’−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンの2:1未満、例えば1.5:1未満又は1.2:1未満のモル比は、ジアルキル化に対してモノアルキル化を優先させることができる。範囲に関して、アルデヒド又はケトンとN,N’−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンのモル比は、2:1から1:2、例えば1.5:1から3:4又は1.2:1から5:6であってよい。より低い反応温度及びより短い反応時間、例えば3時間未満、2時間未満又は1時間未満の反応時間もモノアルキル化を優先させることができる。]
[0077] 一態様において、トルエンジアミンも、a)トルエンジアミンのそれぞれのアミンをアルキル化するための還元アルキル化又は触媒水素化及びb)上記トルエンジアミンのカルボニル化合物を使用して中心芳香族環をアルキル化するための触媒水素化を使用してアルキル化1,3−ベンゼンジアミンを生成することができる。2,4−トルエンジアミン及び2,6−トルエンジアミン、並びに2,5−トルエンジアミンを場合により含むそれらの混合物を使用して、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンを生成することができる。]
[0078] いくつかの態様において、本発明の方法は、N,N’−ジアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンに付加されるアルキル基に二重結合を生成することができる。例えば、反応に利用可能な水素の分圧を低下させること及び/又は反応時間若しくは反応容器の温度を低減することによって、不飽和アルキル基の生成を優先させることができる。採用される具体的な触媒は飽和にも影響を与え得る。]
[0079] 応用
本発明の組成物を様々な製品に含めて、例えば、酸化安定性を向上させ、且つ/又は劣化若しくは付着物生成を抑制することができる。好ましい態様において、本発明の1つ又は複数のアルキル化−1,3−ベンゼンジアミン組成物を、さもなければ酸化劣化を被る流体に含めることができる。したがって、一態様において、本発明は、基礎原料及び安定化量の少なくとも1つの本発明のアルキル化−1,3−ベンゼンジアミン組成物を含む流体、例えば潤滑流体に向けられる。好ましくは、該流体は、アルキル化−1,3−ベンゼンジアミンを含まない同様の組成物と比較して、付着物の生成に対して流体を安定化させるのに十分な量のアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンを含む。]
[0080] 一態様において、本発明は、少なくとも1つの基礎原料、例えば潤滑粘度の基礎原料を、基礎原料とアルキル化1,3−ベンゼンジアミンの合計重量に基づいて45から99.99重量%、例えば80から99.95重量%又は90から99重量%の量で含む流体、例えば潤滑油組成物に向けられる。該流体は、また、本発明の1つ又は複数のアルキル化1,3−ベンゼンジアミン化合物を、基礎原料とアルキル化1,3−ベンゼンジアミンの合計重量に基づいて0.01から6重量%、例えば0.05から4重量%、又は1から3重量%の量で含む。勿論、以下に記載されるように、他の添加剤を流体に含めることもできる。1つの例示的な態様において、基礎原料は、80から99.99重量%の量で存在し、化合物は、0.01から6重量%の量で存在し、化合物は、下記式を有する。




[式中、各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、上に定義されている]。]
[0081] 別の例示的な態様において、本発明は、基礎原料及びN1,N3−ジシクロアルキル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンを含む流体、例えば潤滑油組成物に向けられる。基礎原料は、好ましくは、基礎原料とN1,N3−ジシクロアルキル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンの合計重量に基づいて80から99.99重量%の量で流体に存在する。N1,N3−ジシクロアルキル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンは、好ましくは、基礎原料とN1,N3−ジシクロアルキル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミンの合計重量に基づいて0.01から6重量%の量で流体に存在する。]
[0082] 当該態様において、潤滑油組成物は、付着物の生成に対して流体を安定化させるための十分な量のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンを有する。例えば、中高温熱酸化エンジン油シミュレーション試験(MHT−TEOST)は、当該潤滑油組成物が1から70mg、例えば5から55mg、又は5から35mgの付着物を生成し得ることを示している。70mgを超える付着物は、一般には望ましくない高量の付着物生成を反映し、55mg未満の値は、一般にはたいていの用途について許容可能であると考えられる。場合により、本発明の様々な態様の流体、例えば潤滑油組成物は、上記MET−TEOSTによって測定した場合に50mg未満の付着物、例えば30mg未満の付着物又は20mg未満の付着物を生成する。]
[0083] 潤滑粘度組成物のための好適な基礎原料は、エンジン油、トランスミッション油、作動油、ギヤ油、船舶用シリンダー油、コンプレッサー油、冷凍機潤滑油、航空機用タービン油、ガスタービン油及びそれらの混合物からなる群から選択される。]
[0084] 本発明の化合物は、酸化劣化、熱劣化及び/又は光誘発劣化を被る有機材料の酸化安定性を向上させる。これらの有機材料は、天然又は合成であり得る。これらの有機材料としては、「機能的流体」、潤滑油、グリース及び燃料、並びに自動及び手動トランスミッション油、パワーステアリング油、作動油、ガスタービン油、コンプレッサー潤滑油、自動車及び工業用ギヤ潤滑油、並びに熱媒油を挙げることができる。本発明の実施に有用な潤滑油組成物は、多量の潤滑粘度の油、及び1つ又は複数のシクロアルキル置換基を各窒素原子上に有する少量の少なくとも1つのベンゼンジアミン化合物を含む。]
[0085] 本発明の文脈において有用な潤滑粘度の油を天然潤滑油、合成潤滑油及びそれらの混合物から選択することができる。潤滑油は、粘度範囲が、軽留出鉱油から、ガソリンエンジン油、鉱潤滑油及び重荷重ディーゼル油などの重潤滑油の範囲であり得る。一般に、油の粘度は、100℃で測定した場合に約2センチストークから約40センチストーク、特に約4センチストークから約20センチストークの範囲である。]
[0086] ディーゼル燃料油は、石油系燃料油、特に中留出燃料油である。当該留出燃料油は、一般には、110℃から500℃、例えば150℃から400℃の範囲内で沸騰する。燃料油は、雰囲気留出物若しくは真空留出物、分解ガス油、又は触媒分解留出物及び水素分解留出物などの直留と熱及び/又は精製流との任意の割合のブレンドを含むことができる。]
[0087] ディーゼル燃料の他の例としては、フィッシャートロプシュ燃料が挙げられる。FT燃料として知られるフィッシャートロプシュ燃料としては、ガス液化(GTL)燃料、バイオマス液化(BTL)燃料及び石炭変換燃料と呼ばれるものが挙げられる。当該燃料を製造するために、シンガス(CO+H2)が最初に生成され、次いでフィッシャートロプシュ法によって通常のパラフィンに変換される。次いで、通常のパラフィンを触媒分解/改質又は異性化、水素分解及び水素異性化などの方法によって変性して、イソパラフィン、シクロパラフィン及び芳香族化合物などの様々な炭化水素を得ることができる。得られたFT燃料をそのまま、又は他の燃料成分及び燃料型と組み合わせて使用することができる。植物又は動物源に由来するディーゼル燃料も好適である。これらを単独で、又は他の種類の燃料と組み合わせて使用することができる。]
[0088] 好ましくは、ディーゼル燃料は、硫黄含有量が最大で0.05重量%、より好ましくは最大で0.035重量%、特に最大で0.015重量%である。50重量ppm未満、好ましくは20ppm未満、例えば10ppm以下の硫黄を含む燃料などの、硫黄量がさらに小さい燃料も好適である。]
[0089] 植物又は動物材料に由来する油脂は、燃料として、特に、ディーゼルなどの石油誘導中留出燃料の部分的又は完全代用として用途が増えつつある。一般に、当該燃料は、「バイオ燃料」又は「バイオディーゼル」として知られる。バイオ燃料を多くの源から誘導することができる。最も一般的なものの中には、菜種及びヒマワリ等の植物から抽出された脂肪酸のアルキルエステル、しばしばメチルエステルがある。これらの種類の燃料は、しばしばFAME(脂肪酸メチルエステル)と称する。]
[0090] 天然油としては、動物油及び植物油(例えば、ラード油、ヒマシ油);液体石油、並びにパラフィン、ナフテン及び混合パラフィン−ナフテン型の水素精製、溶媒処理又は酸処理鉱油が挙げられる。石炭又は頁岩に由来する潤滑粘度の油も有用な基油として機能する。動物又は植物材料に由来する油脂の他の例は、菜種油、コエンドロ油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、ヒマシ油、オリーブ油、落花生油、トウモロコシ油、扁桃油、パーム核油、ヤシ油、カラシ油、ジャトロファ油、牛脂及び魚油である。さらなる例は、トウモロコシ、黄麻、ゴマ、シェーナッツ、落花生及び亜麻仁油に由来する油を含み、当技術分野で知られている方法によってそれらから誘導され得る。特にグリセロールでエステル化された脂肪酸の混合物である菜種油は、大量に入手可能であり、加圧により菜種から簡単に得ることができる。使用済み台所油などの再生油も好適である。]
[0091] 脂肪酸のアルキルエステルの有用な例としては、12から22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチル、プロピル、ブチル及び特にメチルエステルの市販の混合物を挙げることができる。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リシノール酸、エラオステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサン酸、ガドレイン酸、ドコサン酸又はエルシン酸が有用であり、50から150、特に90から125のヨウ素価を有する。特に有利な特性を有する混合物は、16から22個の炭素原子及び1、2又は3つの二重結合を有する主として、即ち少なくとも50重量%の脂肪酸のメチルエステルを含むものである。好ましい脂肪酸の低級アルキルは、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びエルシン酸のメチルエステルである。]
[0092] 記載の種類の市販の混合物は、例えば、低級脂肪族アルコールとのそれらのエステル交換による動物及び植物油脂の開裂及びエステル化によって得られる。脂肪酸のアルキルエステルの製造には、低量、即ち20%未満の飽和酸を含み、130未満のヨウ素価を有する油脂から出発することが有利である。例えば、菜種油、ヒマワリ油、コエンドロ油、ヒマシ油、大豆油、落花生油、綿実油及び牛脂等のエステル又は油のブレンドが好適である。その脂肪酸成分が、18個の炭素原子を有する、80重量%を超える不飽和脂肪酸を含む新しい種類の菜種油に基づく脂肪酸のアルキルエステルが好ましい。]
[0093] バイオ燃料として利用することが可能な油が特に好ましい。バイオ燃料、即ち動物又は植物材料に由来する燃料は、燃焼しても環境に対する害が小さいと考えられ、再生可能な源から得られる。燃焼すると、同等量の石油留出燃料、例えばディーゼル燃料より生成される二酸化炭素が少なく、生成される二酸化硫黄が非常に少ないことが報告されている。特定の植物油の誘導体、例えば、一価アルキルアルコールとの鹸化及び再エステル化によって得られるものをディーゼル燃料の代用として使用することができる。]
[0094] 好ましいバイオ燃料は、植物油誘導体であり、そのうち特に好ましいバイオ燃料は、菜種油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、オリーブ油又はパーム油のアルキルエステル誘導体であり、単独、又は他の植物油誘導体とのその混合物である菜種油メチルエステル、例えば、任意の割合の菜種油メチルエステルとパーム油メチルエステルと混合物が特に好ましい。]
[0095] 現在、バイオ燃料は、石油誘導油と組み合わせて最も広く使用されている。本発明は、任意の比率のバイオ燃料と石油誘導燃料との混合物に適用可能である。例えば、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%の油を植物又は動物源から誘導することができる。]
[0096] 合成潤滑油としては、重合及び共重合オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン−イソブチレンコポリマー、塩素化ポリブチレン、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン));アルキルベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ(2−エチルヘキシル)ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、ターフェニル、アルキル化ポリフェノール);並びにアルキル化ジフェニルエーテル及びアルキル化ジフェニルスルフィド、並びにそれらの誘導体、類似体及び相同体などの炭化水素油及びハロ置換炭化水素油が挙げられる。一般にガス液化又は「GTL」基油と称するフィッシャートロプシュ合成炭化水素からガス液化法により誘導された合成油も有用である。]
[0097] 酸化アルキレンポリマー及び共重合体、並びに末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化等によって変性されたそれらの誘導体は、別の種類の既知の合成潤滑油を構成する。これらは、酸化エチレン又は酸化プロピレンの重合によって調製されたポリオキシアルキレンポリマー、並びにポリオキシアルキレンポリマーのアルキル及びアリールエーテル(例えば、分子量が1000のメチル−ポリイソプロピレングリコールエーテル又は分子量が1000若しくは1500のポリエチレングリコールのジフェニルエーテル)、並びにそれらのモノ−及びポリカルボン酸エステル、例えば、酢酸エステル、混合C3〜C8脂肪酸エステル及びテトラエチレングリコールのC13オキソ酸ジエステルによって例示される。]
[0098] 別の好適な種類の合成潤滑油は、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸)と様々なアルコール(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール)とのエステルを含む。当該エステルの具体例としては、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、フマル酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコシル、リノール酸二量体の2−エチルヘキシルジエステル、並びに1モルのセバシン酸と2モルのテトラエチレングリコール及び2モルの2−エチルヘキサン酸とを反応させることによって生成される複合エステルが挙げられる。]
[0099] 合成油として有用なエステルとしては、また、C5からC12のモノカルボン酸と、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールなどのポリオール及びポリオールエステルとから製造されたものが挙げられる。]
[0100] ポリアルキルシリコーン、ポリアリールシリコーン、ポリアルコキシシリコーン又はポリアリールオキシシリコーン油及び珪酸塩油などの珪素系油は、別の種類の有用な合成潤滑剤を含む。当該油は、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(p−tert−ブチル−フェニル)シリケート、ヘキサ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)ジシロキサン、ポリ(メチル)シロキサン及びポリ(メチルフェニル)シロキサンを含む。他の合成潤滑油は、リン含有酸の液体エステル(例えば、リン酸トリクレシル、リン酸トリオクチル、デシルリン酸のジエチルエステル)及びポリマーテトラヒドロフランを含む。]
[0101] 潤滑粘度の油は、グループI、グループII又はグループIIIの基礎原料又は前記基礎原料の基油ブレンドを含むことができる。好ましくは、潤滑粘度の油は、グループII若しくはグループIIIの基礎原料、又はそれらの混合物、或いはグループIの基礎原料とグループII及びグループIIIの1種又は複数種との混合物である。好ましくは、潤滑粘度の油の主たる量が、グループII、グループIII、グループIV若しくはグループVの基礎原料、又はそれらの混合物である。基礎原料又は基礎原料ブレンドは、好ましくは、飽和成分含有量が少なくとも65%、より好ましくは少なくとも75%、例えば少なくとも85%である。最も好ましくは、基礎原料又は基礎原料ブレンドは、飽和成分含有量が90%を超える。好ましくは、油又は油ブレンドは、硫黄含有量が1重量%未満、好ましくは0.6重量%未満、最も好ましくは0.4重量%未満になる。]
[0102] 好ましくは、Noack揮発度試験(ASTMD5880)によって測定された油又は油ブレンドの揮発度は、30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは16%以下である。好ましくは、油又は油ブレンドの粘度指数(VI)は、少なくとも85、好ましくは少なくとも100、最も好ましくは約105から140である。]
[0103] 本発明における基礎原料及び基油の定義は、米国石油協会(API)文献、「エンジン油の認可及び認定システム(Engine Oil Licensing and Certification System)」、Industry Services Department(第14版、1996年12月)、Addendum 1、1998年12月に見いだされるものと同じである。この文献では、基礎原料が以下のように分類されている。]
[0104] (a)グループIの基礎原料は、表1に示される試験法を用いると、90パーセント未満の飽和成分及び/又は0.03パーセントを超える硫黄を含み、80以上120未満の粘度指数を有する。
(b)グループIIの基礎原料は、表1に示される試験法を用いると、90パーセント以上の飽和成分及び0.03パーセント以下の硫黄を含み、80以上120未満の粘度指数を有する。
(c)グループIIIの基礎原料は、表1に示される試験法を用いると、90パーセント以上の飽和成分及び0.03パーセント以下の硫黄を含み、120以上の粘度指数を有する。
(d)グループIVの基礎原料は、ポリアルファオレフィン(PAO)である。
(e)グループVの基礎原料は、グループI、II、III又はIVに含まれないすべての他の基礎原料を含む。]
[0105] 本発明の組成物が特定の要件を満たすことができるように、さらなる添加剤を当該組成物に含めることができる。潤滑油組成物に含めることができる添加剤の例は、分散剤、洗剤、金属錆抑制剤、粘度指数向上剤、腐食抑制剤、酸化抑制剤、摩擦改質剤、他の分散剤、消泡剤、耐摩耗剤及び流動点降下剤である。いくつかを以下にさらに詳細に説明する。]
[0106] 本発明の潤滑油組成物は、潤滑油に添加されると、ガソリン及びディーゼルエンジンでの使用に際して付着物の生成を効果的に抑える1つ又は複数の無灰分散剤をさらに含むことができる。本発明の組成物に有用な無灰分散剤は、分散される粒子と会合することが可能な官能基を有する油溶性ポリマー長鎖骨格を含む。典型的には、当該分散剤は、しばしば架橋基を介してポリマー骨格に結合されたアミン、アルコール、アミド又はエステル極性部分を含む。無灰分散剤を、例えば、長鎖炭化水素置換モノ−及びポリカルボン酸又はそれらの無水物の油溶性塩、エステル、アミノ−エステル、アミド、イミド及びオキサゾリン;長鎖炭化水素のチオカルボキシレート誘導体;ポリアミン部分が直接結合された長鎖脂肪族炭化水素;並びに長鎖置換フェノールとホルムアルデヒド及びポリアルキレンポリアミンとを縮合することによって生成されたマンニッヒ縮合生成物から選択することができる。]
[0107] 好ましい分散剤としては、ポリアミン誘導ポリアルファ−オレフィン分散剤、特にエチレン/ブテンアルファ−オレフィン及びポリイソブチレン系分散剤が挙げられる。無水コハク酸基で置換されたポリイソブチレンと、ポリエチレンアミン、例えば、ポリイソブチレンスクシンイミド、ポリエチレンジアミン、テトラエチレンペンタアミン;又はポリオキシアルキレンポリアミン、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン、トリメチロールアミノメタン;ヒドロキシ化合物、例えばペンタエリスリトール;及びそれらの組合せとを反応させたものから誘導された無灰分散剤が特に好ましい。1つの特に好ましい分散剤の組合せは、無水コハク酸基で置換された(A)ポリイソブチレンと、(B)ヒドロキシ化合物、例えばペンタエリスリトール;(C)ポリオキシアルキレンポリアミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン、又は(D)ポリアルキレンジアミン、例えばポリエチレンジアミン及びテトラエチレンペンタアミンとを、(A)1モル当たり約0.3から約2モルの(B)、(C)及び/又は(D)を使用して反応させた組合せである。別の好適な分散剤の組合せは、米国特許第3,632,511号に記載されているように、(A)ポリイソブテニルコハク酸無水物と、(B)ポリアルケンポリアミン、例えばテトラエチレンペンタアミン及び(C)多価アルコール又はポリヒドロキシ置換脂肪族一級アミン、例えばペンタエリスリトール又はトリスメチロールアミノメタンとの組合せを含む。]
[0108] 別の種類の無灰分散剤は、マンニッヒ塩基縮合生成物を含む。一般に、これらの生成物は、例えば米国特許第3,442,808号明細書に開示されているように、約1モルのアルキル置換モノ−又はポリヒドロキシベンゼンと約1から2.5モルのカルボニル化合物(単数又は複数)(例えばホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒド)及び約0.5から2モルのポリアルキレンポリアミンとを縮合させることによって調製される。当該マンニッヒ塩基縮合生成物は、ベンゼン基上の置換基としてメタロセン触媒重合のポリマー生成物を含むことができ、又は米国特許第3,442,808号明細書に記載されている方法と同様の方法でコハク酸無水物が置換された当該ポリマーを含む化合物と反応することができる。メタロセン触媒系を使用して合成された官能化及び/又は誘導体化オレフィンポリマーの例が、以上に示されている刊行物に記載されている。]
[0109] 米国特許第3,087,936号明細書及び同第3,254,025号明細書に全般的に教示されているように、ホウ酸塩処理などの様々な従来の後処理によって分散剤をさらに後処理することができる。分散剤のホウ酸塩処理は、アシル化窒素組成物1モル毎に約0.1から約20原子比のホウ素を与えるのに十分な量の酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素、ホウ酸及びホウ酸のエステルなどのホウ素化合物でアシル窒素含有分散剤を処理することによって容易に遂行される。有用な分散剤は、約0.05から約2.0重量%、例えば約0.05から約0.7重量%のホウ素を含む。脱水ホウ酸ポリマー(主に(HBO2)3)として生成物に存在するホウ素は、分散剤のイミド及びジイミドにアミン塩、例えばジイミドのメタホウ酸塩として結合すると考えられる。(アシル窒素化合物の質量に基づいて)約0.5から4重量%、例えば約1から3重量%のホウ素化合物、好ましくはホウ酸を通常はスラリーとしてアシル窒素化合物に添加し、約135℃から約190℃、例えば約140℃から170℃で約1から約5時間にわたって撹拌しながら加熱した後、窒素ストリッピングを行うことによってホウ酸塩処理を実施することができる。或いは、ホウ酸をジカルボン酸材料とアミンの高温反応混合物に添加しながら、水を除去することによってホウ素処理を実施することができる。当技術分野で広く知られている他の後反応プロセスを適用することもできる。]
[0110] 分散剤を所謂「キャッピング剤」との反応によってさらに後処理することができる。従来、当該分散剤がフルオロエラストマーエンジンシールに及ぼす悪影響を軽減するために窒素含有分散剤が「キャップ」されていた。多くのキャッピング剤及び方法が知られている。既知の「キャッピング剤」のうち、塩基性分散剤アミノ基を非塩基性成分(例えばアミド又はイミド基)に変換する「キャッピング剤」が最も好適である。窒素含有分散剤とアセト酢酸アルキル(例えばアセト酢酸エチル(EAA))との反応が、例えば米国特許第4,839,071号明細書、同第4,839,072号明細書及び同第4,579,675号明細書に記載されている。窒素含有分散剤とギ酸との反応が、例えば米国特許第3,185,704号明細書に記載されている。窒素含有分散剤と他の好適なキャッピング剤との反応生成物が米国特許第4,663,064号明細書(グリコール酸);米国特許第4,612,132号明細書、同第5,334,321号明細書、同第5,356,552号明細書、同第5,716,912号明細書、同第5,849,676号明細書及び同第5,861,363号明細書(炭酸アルキル及びアルキレン、例えば炭酸エチレン);米国特許第5,328,622号明細書(モノ−エポキシド);米国特許第5,026,495号明細書;米国特許第5,085,788号明細書、同第5,259,906号明細書、同第5,407,591号明細書(ポリ(例えばビス)−エポキシド);及び米国特許第4,686,054号明細書(無水マレイン酸又は無水コハク酸)に記載されている。上述のリストは、網羅的ではなく、窒素含有分散剤をキャップする他の方法が当業者に知られている。]
[0111] ピストン付着物を十分に抑制するために、窒素含有分散剤を、潤滑油組成物に約0.03重量%から約0.15重量%、好ましくは約0.07から約0.12重量%の窒素を供給する量で添加することができる。]
[0112] 金属含有又は灰生成洗剤は、付着物を低減又は除去するための洗剤として機能するとともに、酸中和剤又は錆抑制剤として機能することによって、摩耗及び腐食を軽減し、エンジンの寿命を延ばす。洗剤は、一般に、長い疎水性尾部とともに極性頭部を含み、極性頭部は、酸性有機化合物の金属塩を含む。それらの塩は、実質的に理論量の金属を含むことができ、その場合、それらは、通常、正規又は中性塩と呼ばれ、典型的には0から80の(ASTMD2896によって測定することができる)全塩基価又はTBNを有することになる。過剰の金属化合物(例えば酸化物又は水酸化物)と酸性ガス(例えば二酸化炭素)とを反応させることによって多量の金属塩基を含めることができる。得られた過塩基性洗剤は、金属塩基(例えば炭酸塩)ミセルの外層として中和洗剤を含む。当該過塩基洗剤は、150以上のTBNを有することができ、典型的には250から450以上のTBNを有することになる。]
[0113] 使用することができる洗剤としては、金属、特にアルカリ又はアルカリ土類金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム及びマグネシウムの油溶性中性及び過塩基性スルホン酸塩、フェノール石炭酸塩、硫化フェノール石炭酸塩、チオホスホン酸塩、サリチル酸塩、ナフテン酸塩及び他の油溶性カルボン酸塩が挙げられる。最も広く使用される金属は、いずれも潤滑剤に使用される洗剤に存在し得るカルシウム及びマグネシウム、並びにカルシウム及び/又はマグネシウムとナトリウムとの混合物である。特に便利な金属洗剤は、20から450TBNのTBNを有する過塩基性スルホン酸カルシウム、並びに50から450のTBNを有する中性及び過塩基性フェノール石炭酸カルシウム及び硫化フェノール石炭酸塩である。過塩基性又は中性又はその両方の洗剤の組合せを使用することができる。]
[0114] スルホン酸塩を、典型的には、石油の分留又は芳香族炭化水素のアルキル化により得られるものなどの、アルキル置換芳香族炭化水素のスルホン化によって得られるスルホン酸から調製することができる。例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ジフェニル又はクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタレンなどのそれらのハロゲン誘導体をアルキル化することによって得られるものが挙げられた。約3から70個を超える炭素原子を有するアルキル化剤を用いて、触媒の存在下でアルキル化を実施することができる。スルホン酸アルカリールは、通常、約9から約80個以上の炭素原子、好ましくは約16から約60個以上の炭素原子をアルキル置換芳香族成分毎に含むことができる。]
[0115] 油溶性スルホン酸塩又はアルカリ−キルスルホン酸を金属の酸化物、水酸化物、アルコキシド、炭酸塩、カルボン酸塩、硫化物、水硫化物、硝酸鉛、ホウ酸塩及びエーテルで中和することができる。金属化合物の量は、最終生成物の望ましいTBNを考慮して選択されるが、典型的には、化学量論的に必要な量の約100から220重量%(好ましくは少なくとも125重量%)の範囲である。]
[0116] フェノール及び硫化フェノールの金属塩は、酸化物又は水酸化物などの適切な金属化合物との反応によって調製され、中性又は過塩基性生成物を、当技術分野で知られている方法によって得ることができる。フェノールと、硫黄、又は硫化水素、モノハロゲン化硫黄若しくはジハロゲン化硫黄などの硫黄含有化合物とを反応させて、一般には、2つ以上のフェノールが硫黄含有ブリッジによって架橋された化合物の混合物である生成物を生成することによって硫化フェノールを調製することができる。]
[0117] ジチオリン酸ジヒドロカルビル金属塩は、耐摩耗及び抗酸化剤としてしばしば使用される。金属は、アルカリ若しくはアルカリ土類金属、又はアルミニウム、鉛、錫、モリブデン、マンガン、ニッケル若しくは銅であり得る。亜鉛塩は、潤滑油組成物の全重量に基づいて0.1から10重量%、好ましくは0.2から2重量%の量で潤滑油に最も広く使用される。それらを、最初に通常は1つ又は複数のアルコール又はフェノールとP2S5との反応によってジヒドロカルビルジチオリン酸(DDPA)を生成し、次いで生成されたDDPAを亜鉛化合物で中和することによって、既知の技術に従って調製することができる。例えば、一級及び二級アルコールの混合物を反応させることによってジチオリン酸を製造することができる。或いは、1つの酸のヒドロカルビル基が完全に二級の特性を有し、他の酸のヒドロカルビル基が完全に一級の特性を有する複数のジチオリン酸を調製することができる。亜鉛塩を製造するために、任意の塩基性又は中性亜鉛化合物を使用することが可能であるが、酸化物、水酸化物及び炭酸塩が最も広く採用される。市販の添加剤は、過剰の塩基性亜鉛化合物が中和反応に使用されるため、過剰の亜鉛をしばしば含む。]
[0118] 好ましい亜鉛ジヒドロカルビルジチオリン酸塩は、ジヒドロカルビルジチオリン酸の油溶性塩であり、亜鉛ジアルキルジチオリン酸塩を含むことができる。本発明は、リン含有量が、組成物の全質量に基づいて約0.02から約0.12重量%、例えば約0.03から約0.10重量%、又は約0.05から約0.08重量%である旅客車ディーゼルエンジン潤滑剤組成物、及びリン含有量が、組成物の全質量に基づいて約0.02から約0.16重量%、例えば約0.05から約0.14重量%、又は約0.08から約0.12重量%である重荷重ディーゼルエンジン潤滑剤組成物に使用される場合に特に有用であり得る。1つの好ましい態様において、本発明の潤滑油組成物は、大半が(例えば50モル%、例えば60モル%が)二級アルコールから誘導された亜鉛ジアルキルジチオリン酸塩を含む。]
[0119] 以下は、当該耐摩耗添加剤の典型例であり、商業的に入手可能である。とりわけ、Lubrizol Corp.からLubrizol Corp.のLubrizol 677A、Lubrizol 1095、Lubrizol 1097、Lubrizol 1360、Lubrizol 1395、Lubrizol 5139及びLubrizol 5604等;並びにCiba−GeigyからIrgalube 353。]
[0120] 酸化抑制剤又は抗酸化剤は、鉱油が使用中に劣化する傾向を軽減する。酸化劣化を潤滑剤中のスラッジ、金属表面上のワニス様付着物及び粘度上昇によって認識することができる。当該酸化抑制剤としては、ヒンダードフェノール、好ましくはC5からC12のアルキル側鎖を有するアルキルフェノールチオエステルのアルカリ土類金属塩、カルシウムノニルフェノール硫化物、油溶性フェノール石炭酸塩及び硫化フェノール石炭酸塩、ホスホ硫化又は硫化炭化水素、リンエステル、金属チオカルバミン酸塩、米国特許第4,867,890号明細書に記載されている油溶性銅化合物、並びにモリブデン含有化合物が挙げられる。]
[0121] 少なくとも2つの芳香族基が1つのアミン窒素に直接結合された典型的な油溶性芳香族アミンは、6から16個の炭素原子を含む。アミンは、3つ以上の芳香族基を含むことができる。2つの芳香族基が共有結合又は原子若しくは基(例えば、酸素若しくは硫黄原子、又は−CO−、−SO2−若しくはアルキレン基)によって結合され、2つの芳香族基が1つのアミン窒素に直接結合されている、全部で少なくとも3つの芳香族基を有する化合物も、少なくとも2つの芳香族基が窒素に直接結合された芳香族アミンと見なされる。芳香族環は、典型的には、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アシルアミノ、ヒドロキシ及びニトロ基から選択される1つ又は複数の置換基によって置換されている。]
[0122] 一般には複数の抗酸化剤が併用される。1つの好ましい態様において、本発明の潤滑油組成物は、煤に誘発された粘度上昇を改善するために添加されたベンゼンジアミン化合物(単数又は複数)に加えて、約0.1から約1.2重量%のアミン系抗酸化剤及び約0.1から約3重量%のフェノール系抗酸化剤を含む。別の好適な態様において、本発明の潤滑油組成物は、約0.1から約1.2重量%のアミン系抗酸化剤、約0.1から約3重量%のフェノール系抗酸化剤、及び潤滑油組成物に約10から約1000ppmのモリブデンを供給する量のモリブデン化合物を含む。好ましくは、本発明の実施に有用な潤滑油組成物、特に、1200ppm以下のリンを含む必要がある本発明の実施に有用な潤滑油組成物は、ベンゼンジアミン以外の無灰抗酸化剤を約0.1から約5重量%、好ましくは約0.3から約4重量%、より好ましくは約0.5重量%から約3重量%の量で含む。リン含有量がより小さいことが必要とされる場合は、好ましくは、ベンゼンジアミン以外の抗酸化剤の量が相応に増加することになる。]
[0123] 以下は、二級ジアリールアミン抗酸化剤の典型例であり、商業的に入手可能である。Chemtura CorporationのNaugalube(商標)438、Naugalube 438L、Naugalube 640、Naugalube 635、Naugalube 680、NaugalubeAMS、NaugalubeAPAN、Naugalube PANA、Naugalube 403、Naugalube 410及びNaugalube 420;並びにCiba−GeigyのIrganox(商標)L 06及びIrganox L 57。以下は、商業的に入手可能な置換フェノール抗酸化剤の典型例である。Crompton CorporationのNaugard(商標)BHT、Antioxidant 431及びNaugard 531;並びにCiba−GeigyのIrganox(商標)L 115、Irganox L 118、Irganox L 135及びIrganox F 10A。]
[0124] 好適な粘度改質剤の代表例は、ポリイソブチレン、エチレンとプロピレンのコポリマー、ポリメタクリレート、メタクリレートコポリマー、不飽和ジカルボン酸とビニル化合物のコポリマー、スチレンとアクリル酸エステルの共重合体、並びにスチレン/イソプレン、スチレネルブタジエン及びイソプレン/ブタジエンの部分水素化コポリマー、並びにブタジエン及びイソプレンの部分水素化ホモポリマーである。]
[0125] 粘度指数向上剤分散剤は、粘度指数向上剤として機能するとともに、分散剤として機能する。粘度指数向上剤分散剤の例としては、アミン、例えばポリアミンと、ヒドロカルビル置換基が、粘度指数向上特性を化合物に付与するのに十分な長さの鎖を含むヒドロカルビル置換モノ−又はジカルボン酸との反応生成物が挙げられる。概して、粘度指数向上剤分散剤は、例えば、4から20個の炭素原子を有する不飽和窒素含有モノマーを含むビニルアルコールのC4からC24の不飽和エステル又はC3からC10の不飽和モノカルボン酸又はC4からC10のジカルボン酸のポリマー;アミン、ヒドロキシアミン又はアルコールで中和された不飽和のC3からC10のモノ−又はジカルボン酸を含むC2からC20のオレフィンのポリマー;或いはC4からC20の不飽和窒素含有モノマーをその上にグラフトすること、又は不飽和酸をポリマー骨格上にグラフトし、次いでグラフトされた酸のカルボン酸基とアミン、ヒドロキシアミン若しくはアルコールとを反応させることによってさらに反応されたC3からC20のオレフィンを含むエチレンのポリマーであり得る。]
[0126] 最終的な油の他の成分との相溶性がある摩擦改質剤及び燃料節約剤を含めることもできる。当該材料の例としては、高級脂肪酸のグリセリルモノエステル、例えばモノオレイン酸グリセリル;長鎖ポリカルボン酸とジオールのエステル、例えば二量体化不飽和脂肪酸のブタンジオールエステル;オキサゾリン化合物;並びにアルコキシ化アルキル置換モノアミン、ジアミン及びアルキルエーテルアミン、例えば、エトキシ化牛脂アミン及びエトキシ化牛脂エーテルアミンが挙げられる。]
[0127] 他の既知の摩擦改質剤は、油溶性有機モリブデン化合物を含む。当該有機モリブデン摩擦改質剤は、潤滑油組成物に対して抗酸化性及び耐摩耗性も与える。当該油溶性有機モリブデン化合物の例としては、ジチオカルバミン酸塩、ジチオリン酸塩、ジチオホスフィン酸塩、キサントゲン酸塩、チオキサントゲン酸塩及び硫化物等並びにそれらの混合物が挙げられる。ジチオカルバミン酸、ジアルキルチオ硫酸、アルキルキサントゲン酸及びアルキルチオキサントゲン酸モリブデンが特に好ましい。]
[0128] また、モリブデン化合物は、酸性モリブデン化合物であり得る。これらの化合物は、ASTM試験D−644又はD−2896滴定手順によって測定された場合に塩基性窒素化合物と反応し、典型的には六価である。モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、並びに他のモリブデン酸アルカリ金属及び他のモリブデン塩、例えばモリブデン酸水素ナトリウム、MoOCl4、MoO2Br2、Mo2O3Cl6、三酸化モリブデン又は同様の酸性モリブデン化合物が含まれる。]
[0129] 本発明の組成物に有用なモリブデン化合物の中には、式Mo(ROCS2)4及びMo(RSCS2)4(Rは、一般に1から30個の炭素原子、好ましくは2から12個の炭素原子、最も好ましくは2から12個の炭素原子のアルキル、アリール、アラルキル及びアルコキシアルキル、最も好ましくは2から12個の炭素原子のアルキルからなる群から選択される有機基である)の有機モリブデン化合物がある。モリブデンのジアルキルジチオカルバミン酸塩が特に好ましい。]
[0130] 本発明の潤滑組成物に有用な別のグループの有機モリブデンは、三核モリブデン化合物、特に、式Mo3SkLnQz(Lは、化合物を油に溶解可能又は分散可能にするのに十分な数の炭素原子を有する有機基を有する、独立に選択された配位子であり、nは1から4であり、kは4から7であり、Qは、水、アミン、アルコール、ホスフィン及びエーテルなどの中性電子供与化合物の群から選択され、zは、0から5の範囲であり、非化学量論値を含む)の化合物及びそれらの混合物である。全部で少なくとも21個の炭素原子、例えば少なくとも25個、少なくとも30個又は少なくとも35個の炭素原子がすべての配位子有機基の間に存在しなければならない。]
[0131] とりわけ、Molyvan(商標)A、Molyvan L、Molyvan 807、Molyvan 856B、Molyvan 822、Molyvan 855は、モリブデン摩擦改質添加剤の典型例であり、R.T.Vanderbilt Company,Inc.から商業的に入手可能である。とりわけ、SAKURA−LUBE(商標)100、SAKURA−LUBE 165、SAKURA−LUBE 300、SAKURA−LUBE 310G、SAKURA−LUBE 321、SAKURA−LUBE 474、SAKURA−LUBE 600、SAKURA−LUBE 700も、当該添加剤の典型例であり、Asahi Denka Kogyo K.K.から商業的に入手可能である。とりわけ、Ktjen−Ox(商標)77M、Ketjen−Ox 77TSも当該摩擦改質添加剤の典型例であり、Akzo Nobel Chemicals GmbHから商業的に入手可能である。Naugalube MolyFMも当該添加剤の典型例であり、Chemtura Corporationから商業的に入手可能である。]
[0132] 潤滑油流動促進剤(LOFI)としても知られる流動点降下剤は、流体が流動する最低温度、又は流体を注ぐことができる最低温度を下げる。当該添加剤は、良く知られている。流体の低温流動性を向上させる添加剤の典型は、C8からC18のジアルキルフマレート/酢酸ビニルコポリマー及びポリメタクリレートである。ポリシロキサン型の消止剤、例えばシリコーン油又はポリジメチルシロキサンによって泡を抑制することができる。流動点降下剤の例は、ポリメタクリレート等である。]
[0133] 上記添加剤のいくつかは、複数の効果をもたらすことができるため、例えば、単一の添加剤が、分散剤−酸化抑制剤として作用することができる。このアプローチは、良く知られており、本明細書にさらに詳しく述べる必要はない。]
[0134] 腐食抑制剤の例としては、アミン複合体、並びにベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チジアゾール系及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。K−Corr(商標)100A2は、典型的な腐食抑制剤であり、King Industries,Inc.から商業的に入手可能である。]
[0135] 粘度指数(V.I.)向上剤の例としては、オレフィンコポリマー、分散剤オレフィンコポリマー、α−オレフィンがプロピレン、1−ブテン若しくは1−ペンテンであってよいエチレン−α−オレフィンコポリマー、又はそれらの水素化物、ポリイソブチレン又はそれらの水素化物、スチレン−ジエン水素化コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー及びポリアルキルスチレン等が挙げられる。]
[0136] 泡止剤の例としては、ポリシロキサン、並びにジメチルシリコーン及びフルオロシリコーン等のシリコーンが挙げられる。Foam Ban(商標)MS−575は、典型的な発泡防止剤であり、Munzing/Ultra Additivesから商業的に入手可能である。]
[0137] 本発明において、ブレンドの粘度の安定性を維持する添加剤を含めることが必要であり得る。したがって、極性基含有添加剤は、ブレンド前の段階で好適に低粘度を達成するが、いくつかの組成物は、長時間にわたって保管されると粘度が上昇することが確認された。この粘度上昇を抑制するのに有効な添加剤は、以上に開示されている無灰分散剤の調製に使用されるモノ−若しくはジカルボン酸又は無水物の反応によって官能化された長鎖炭化水素を含む。]
[0138] 潤滑組成物が上記添加剤の1種又は複数種を含むときは、各添加剤は、典型的には、添加剤がその望ましい機能をもたらすことを可能にする量で基油にブレンドされる。クランクケース潤滑剤に使用される当該添加剤の代表的な有効量を以下に列挙する。列挙されたすべての値は、活性成分の重量パーセントで示される。]
[0139] 本発明の完全配合旅客車ディーゼルエンジン潤滑油(PCDO)組成物は、好ましくは、硫黄含有量が約0.4重量%未満、例えば約0.35重量%未満、より好ましくは約0.03重量%未満、例えば約0.15重量%未満である。好ましくは、完全配合PCDO(潤滑粘度の油+すべての添加剤)のNoack粘度は、13以下、例えば12以下、好ましくは10以下である。本発明の完全配合PCDOは、好ましくは1200ppm以下のリン、例えば1000ppm以下のリン、又は800ppm以下のリンを有する。本発明の完全配合PCDOは、好ましくは、硫酸化灰(SASH)含有量が約1.0重量%以下である。]
[0140] 本発明の完全配合重荷重ディーゼルエンジン(HDD)潤滑油組成物は、好ましくは、硫黄含有量が約1.0重量%未満、例えば約0.6重量%未満、より好ましくは約0.4重量%未満、例えば約0.15重量%未満である。好ましくは、完全配合HDD潤滑油組成物(潤滑粘度の油+すべての添加剤)のNoack粘度は、20以下、例えば15以下、好ましくは12以下である。本発明の完全配合HDD潤滑油組成物は、好ましくは1600ppm以下のリン、例えば1400ppm以下のリン、又は1200ppm以下のリンを有する。本発明の完全配合HDD潤滑油組成物は、好ましくは、硫酸化灰(SASH)含有量が約1.0重量%以下である。]
[0141] いくつかの添加剤を同時に油に添加して潤滑油組成物を生成することができるように、添加剤を含む1つ又は複数の添加剤濃縮物(濃縮物は、ときには添加剤パッケージと称する)を調製することが望ましいが、必須ではない。本発明の潤滑油組成物を調製するための濃縮物は、例えば、約0.1から約16重量%の本発明のアルキル化−1,3−ベンゼンジアミン;約10から約40重量%の窒素含有分散剤;約2から約20重量%のアミン系抗酸化剤及び/又はフェノール系抗酸化剤、モリブデン化合物、又はそれらの混合物;約5から40重量%の洗剤;及び約2から約20重量%の金属ジヒドロカルビルジチオリン酸塩を含むことができる。]
[0142] 最終組成物は、5から25重量%、好ましくは5から18重量%、典型的には10から15重量%の濃縮物を採用することができ、残りは、潤滑粘度の油及び粘度改質剤である。]
[0143] 本明細書に表記されるすべての重量パーセントは(他に指定がない場合は)、添加剤の活性成分(A.I.)含有量、及び/又は任意の添加剤−パッケージ、若しくは各添加剤のA.I.重量+全油又は希釈剤の重量の合計である配合物に基づく。]
[0144] 潤滑剤に加えて、本発明のアルキル化−1,3−ベンゼンジアミンを電子工業用化学物質、ウレタン、作物保護、医薬品、染料及びトナーに使用することができる。
例]
[0145] (例1−シクロヘキサノンを用いた1,3−ベンゼンジアミンの還元アルキル化)
2000mLの深底反応ケトルフラスコにオーバーヘッドスターラー、温度計及び窒素導入口を取りつけた。フラスコに40.1gの1,3−ベンゼンジアミン、800mLのテトラヒドロフラン、400mLのキシレン、96mLのシクロヘキサノン及び21mLの氷酢酸を充填した。反応物を38℃から65℃に加熱しながら、160.0gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを3.5時間にわたって添加した。反応物を65℃で2時間撹拌した。反応物を320gの25%水酸化ナトリウム溶液で抽出し、水で3回洗浄した。溶媒を回転式蒸発によって除去して96.4gの暗色固体を得て、それをイソプロパノールから再結晶させて、淡褐色結晶(融点84〜86℃)を得た。結晶生成物は、N1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンを含んでいた。]
[0146] (例2−シクロヘキサノンを用いた1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
1Lのステンレス鋼製オートクレーブに108.1gの1,3−ベンゼンジアミン、294.0gのシクロヘキサノン及び2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを充填した。オートクレーブを4,233KPa(600psig)の水素で加圧した。反応物を4時間にわたって160℃に加熱した。反応物の塊を冷却して、粗N1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンを含む272gの濃灰色スラリーを得て、それをさらに精製することなく反応させた。]
[0147] (例3−メチルイソブチルケトンを用いた1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
1Lのステンレス鋼製オートクレーブに108.1gの1,3−ベンゼンジアミン、300.6gのメチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン及び2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを充填した。オートクレーブを4,578KPa(650psig)の水素で加圧した。反応物を9時間にわたって160℃に加熱した。反応物の塊を冷却し、トルエンで希釈し、濾過した。溶媒を回転式蒸発によって除去して、78%の粗N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−1,3−ジベンゼンジアミンを含む242.2gの赤褐色液体を得た。粗材料を使用前に真空蒸留によって生成した。]
[0148] (例4−例1によって製造されたN1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
1Lのステンレス鋼製オートクレーブに、例1に記載されているように調製された263.0gのN1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジアルキル−1,3−ベンゼンジアミン反応混合物、59.5gのブチルアルデヒド及びさらなる2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを充填した。オートクレーブを4,647KPa(660psig)の水素で加圧した。反応物を4時間にわたって180℃に加熱し、17時間にわたって180℃に保持した。N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミンは、以下に報告される特性を有する。]
[0149] (例5−例2によって製造されたN1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
例2に記載されているように調製された272gのN1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンに対して151.4gのイソブチルアルデヒド及び2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを添加した。オートクレーブを4,578KPa(650psig)の水素で加圧した。反応物を5時間にわたって180℃に加熱した。反応物の塊を冷却し、濾過した。得られた液体を分離し、水相を破棄した。揮発物を有機相から除去して、361gの粘性褐色液を得て、それを放置して固化させた。]
[0150] 酢酸エチルから再結晶させて、GC/MSによって測定した場合に35%のN1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブテニル−6−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミンとともに42%のN1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミンを含むオフホワイトの製造物(融点92〜94℃)を得た。]
[0151] N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミンをテトラヒドロフラン中臭素による処理によってさらに精製した。チオ硫酸ナトリウム水溶液で処理した後、製造物をヘキサンに吸収させた。19:1ヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲル上クロマトグラフィーによって製造物を得た。]
[0152] (例6−例2によって製造されたN1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
例2に記載されているように調製された263.1gのN1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンに対して59.5gのブチルアルデヒド及び2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを添加した。オートクレーブを4,647kPa(660psig)の水素で加圧した。反応物を4時間にわたって180℃に加熱し、17時間にわたって180℃に保持した。反応物の塊を冷却し、濾過し、揮発物を回転式蒸発によって除去した。反応物の塊を収容し、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブチル−1,3−ベンゼンジアミンをカラムクロマトグラフィーによって油として単離した。GCMS分析による純度が93.5%であった。それは、以下に報告される特性を有する。]
[0153] (例7−例3によって製造されたN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
1Lのステンレス鋼製オートクレーブに、例3に記載されているように調製された68.1gのN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−1,3−ベンゼンジアミン反応混合物、54.0gのイソブチルアルデヒド、300mLのトルエン及びさらなる2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを充填した。オートクレーブを4,578KPa(650psig)の水素で加圧した。反応物を4時間にわたって180℃に加熱し、17時間にわたって180℃に保持した。反応物の塊を冷却し、濾過し、揮発物を回転式蒸発によって除去した。該液体混合製造物は、74%の所望のN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミンを含んでいた。次に豊富な成分は6%で存在した(GC)。このN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン化合物は、以下に報告される特性を有する。]
[0154] (例8−例3によって製造されたN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
1Lのステンレス鋼製オートクレーブに、例3に記載されているように調製された68.1gのN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−1,3−ベンゼンジアミン反応混合物、54.0gのイソブチルアルデヒド、300mLのトルエン及びさらなる2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを充填した。オートクレーブを4,578KPa(650psig)の水素で加圧した。反応物を4時間にわたって180℃に加熱し、14時間にわたって180℃に保持した。反応物の塊を冷却し、濾過し、揮発物を回転式蒸発によって除去した。該液体混合製造物は、72%の所望のN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミンを含んでいた。次に豊富な成分は6%で存在した(GC)。このN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミン化合物は、以下に報告される特性を有する。]
[0155] (例9−ベンズアルデヒドを用いて例2によって製造されたN,N’−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
1Lのステンレス鋼製オートクレーブに、例2に記載されているように調製された65.0gのN1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミン反応混合物、79.5gのベンズアルデヒド、300mLのトルエン及びさらなる2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを充填した。オートクレーブを4,578KPa(650psig)の水素で加圧した。反応物を4時間にわたって180℃に加熱し、4時間にわたって180℃に保持した。反応物を冷却し、濾過し、揮発物を回転式蒸発によって除去した。製造物を4:1ヘキサン/酢酸エチルから再結晶させてベージュ色の結晶(融点152〜154℃)を得た。このN1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジベンジル−1,3−ベンゼンジアミン化合物は、以下に報告される特性を有する。]
[0156] (例10−ベンズアルデヒドを用いて例3によって製造されたN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−1,3−ベンゼンジアミンの触媒水素化)
1Lのステンレス鋼製オートクレーブに、例3に記載されているように調製された69.0gのN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−1,3−ベンゼンジアミン反応混合物、79.5gのベンズアルデヒド、300mLのトルエン及びさらなる2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを充填した。オートクレーブを4,578KPa(650psig)の水素で加圧した。反応物を0.6時間にわたって180℃に加熱し、6時間にわたって180℃に保持した。反応物を冷却し、濾過し、揮発物を回転式蒸発によって除去した。製造物をイソプロパノールから再結晶して黄褐色の結晶(融点130〜132℃)を得た。このN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジベンジル−1,3−ベンゼンジアミン化合物は、以下に報告される特性を有する。]
[0157] (例11−2,4−トルエンジアミン誘導化合物の触媒水素化)
1Lのステンレス鋼製オートクレーブに122gの2,4−トルエンジアミン、294gのシクロヘキサノン及び2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナを充填した。オートクレーブを5,090KPa(722psig)の水素で加圧した。反応物を3時間にわたって160℃に加熱した。反応物の塊を冷却し、濾過し、揮発物を回転式蒸発によって除去して、粗N1,N3−ジシクロヘキシル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミンを含む278.7gの粘性褐色液を得た(GCにより88%の所望の製造物)。さらなる揮発物を205℃、13torrでバキュームストリップ処理により除去して、271.6gの92%N1,N3−ジシクロヘキシル−4−メチル−ベンゼンジアミンを得た。]
[0158] 次に、71.5gの上記N1,N3−ジシクロヘキシル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミンを54gのイソブチルアルデヒド、300mLのトルエン及び2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナとともに1Lのステンレス鋼製オートクレーブに充填した。オートクレーブを4,240KPa(602psig)の水素で加圧した。反応物を0.8時間にわたって180℃に加熱し、7時間にわたって180℃に保持した。反応物を冷却し、濾過し、揮発物を回転式蒸発によって除去して、87.5gの粘性褐色液を得た。得られた反応混合物についてのTEOSTデータを表5に報告する。]
[0159] 粗製物を、98:2ヘキサン:アルミナを用いたアルミナ上クロマトグラフィーによって精製して、以下に報告される特性を有するN1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン化合物を単離した。この材料は、GCにより38%の粗反応混合物を含んでいた。]
[0160] また、同じクロマトグラフィーから、以下に報告される特性を有するN1,N3−ジシクロヘキシル−N1−イソブチル−4−イソブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン化合物を単離した。この材料は、GCにより16%の反応混合物を含んでいた。]
[0161] (例12−2,4−トルエンジアミン誘導化合物の触媒水素化)
次に、例11に記載されている71.5gのN1,N3−ジシクロヘキシル−4−メチル−1,3−ベンゼンジアミンを79.5gのベンズアルデヒド、300mLのトルエン及びさらなる2.0gの炭素触媒上湿性(未処理)硫化プラチナとともに1Lのステンレス鋼製オートクレーブに充填した。オートクレーブを3,375KPa(536psig)の水素で加圧した。反応物を1.4時間にわたって160℃に加熱し、1時間にわたって160℃に保持した。反応物を冷却し、濾過し、揮発物を回転式蒸発によって除去して97.4gの赤色液を得た。N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ベンジル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン化合物は、GCにより69%の反応混合物を含んでいた。得られた反応混合物についてのTEOSTデータを表5に報告する。]
[0162] (比較例A)
100mLの三口フラスコにオーバーヘッドスターラー、温度計及び窒素導入口を取りつけた。フラスコに、例1に記載されているように調製された2.10gのN1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミン、18mLのテトラヒドロフラン、9mLのキシレン及び1.4mLのイソブチルアルデヒドを充填した。該混合物を52℃に加熱し、2.06gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを1.3時間にわたって添加し、反応物を30分間にわたって撹拌した。反応物を70℃まで加温し、さらなる1.39gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。反応物を70℃で1時間撹拌した。さらなる0.7mLのイソブチルアルデヒド及び1.04gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、反応物を0.7時間撹拌した。反応物をキシレンに吸収させ、水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、水で2回洗浄した。溶媒を回転式蒸発によって除去して、2.70gの濃い茶色がかった橙色の油を得た。油を、ヘキサンを用いてアルミナ上でクロマトグラフィー処理した。]
[0163] 例4及び5と比較して、比較例A(N1,N3−ジシクロヘキシル−N1,N3−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン)は、二級アミンを三級アミンに変換した。比較例Aではベンゼンがアルキル化されなかった。]
[0164] (比較例B)
250mLの三口フラスコにオーバーヘッドスターラー、温度計及び窒素導入口を取りつけた。フラスコに、例1に記載されているように調製された4.20gのN1,N3−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゼンジアミン、26mLのテトラヒドロフラン、13mLのキシレン及び5.62gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを充填した。反応物を40℃に加熱し、2.4mLのヘプタアルデヒドを40分間にわたって添加した。反応物をさらに70分間撹拌した。さらなる0.4mLのヘプタアルデヒドを添加し、反応物を80分間撹拌した。反応物をキシレンに吸収させ、水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、水で2回洗浄した。溶媒を回転式蒸発によって除去して、5.60gの茶色がかった橙色の油を得た。油を、98:2ヘキサン/酢酸エチルを用いてアルミナ上でクロマトグラフィー処理した。]
[0165] 例4及び5と比較して、比較例B(N1,N3−ジシクロヘキシル−N1,N3−ジヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン)は、二級アミンを三級アミンに変換した。比較例Bではベンゼンがアルキル化されなかった。]
[0166] (例13〜21)
熱−酸化エンジン油シミュレーション試験(TEOST)
試験に使用したエンジン油配合物は、商業的に入手可能な下記成分を含んでいた。本発明の文脈において、材料の種類及び厳密な組成に対する特定の制限はない。例示的な試験配合物は、上記の典型的な市販の添加剤を用いて配合された、AOを除外した完全配合グループII油である。本発明を実施すると、シクロアルキル−ベンゼンジアミンの使用に起因する付着物が有意に減少することが、中高温熱酸化エンジン油シミュレーション試験(MHT−TEOST)によりエンジン油配合物において明確に実証された。この試験は加速酸化試験である。該試験は、熱−酸化及び触媒条件下で試験油の8.5の反復的流れに連続的に応力をかけることによって特殊構造のスチール棒に生成された付着物の質量を測定する。使用した計器は、Tannas Co.によって製造されたものであり、xが2つ以上の繰り返し試験結果の平均値である0.15(x+16)mgの典型再現性を有する。TEOST試験条件を表4に列挙する。得られた付着物の量が少ないほど、油の酸化安定性が良好である。]
[0167] 試験に使用した二級ジアリールアミンは、Chemtura Corporationから商業的に入手可能である、商品名Naugalube(商標)438Lで現在販売されている主としてモノ−、ジ−及びトリ−ノニルジフェニルアミンの複合混合物である。例4〜10の置換ベンゼンジアミンを含む油についてのMHT−TEOST結果を下記表5に示す。]
[0168] (比較例C〜G)
比較例Cは、0.75%の二級アミン塩基処理量の抗酸化剤を含み、シクロアルキルベンゼンジアミン付着抑制/抗酸化添加剤を含んでいなかった。比較例Dは、1.25%の二級アミンを含み、ベンゼンジアミン付着抑制/抗酸化添加剤の代わりにさらなる二級ジフェニルアミンを使用した。比較例Eは、0.75%の二級アミン塩基処理量の抗酸化剤を含み、シクロアルキルベンゼンジアミン付着抑制/抗酸化添加剤の代わりに0.5%のNaugalube(商標)531抗酸化剤を使用した。Naugalube(商標)531抗酸化剤は、3,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキシ桂皮酸のC7〜C9エステルの混合物であり、Chemtura Corporationから商業的に入手可能である。比較例Fは、0.75%の二級アミン塩基処理量の抗酸化剤を含み、シクロアルキルベンゼンジアミン付着抑制/抗酸化添加剤の代わりに0.5%のFlexzone(商標)4L抗酸化剤を使用した。Flexzone(商標)4L抗酸化剤は、N,N’−ビス(メチルフェニル)−パラ−ベンゼンジアミンであり、Chemtura Corporationから商業的に入手可能である。比較例Gは、抗酸化剤を添加せずに調製した場合の例示的な試験配合物例であった。MHT−TEOST結果を下記表6に示す。]
[0169] 本発明の例13〜21について得られた付着物は、比較例C〜Gについて得られた付着物より有意に少なかった。これにより、本発明の付着抑制/抗酸化剤ブレンドの適切な混合物を含む潤滑油組成物は、MHT−TEOSTにおける付着物の量をより少なくする優れた酸化安定性を有することが実証される。]
[0170] 本発明の基礎をなす原理から逸脱することなく加えることができる多くの変更及び改変に関しては、本発明に与えられる保護の範囲を理解するために添付の請求項を参照すべきである。出願人が提示するのは、彼らの発明であるが、開示された態様が限定的ではなく例示的であると見なされるため、開示されている特定の態様に限定されるものと考えられるべきではない。当業者は、本発明の主旨から一脱することなく変更を加えることができる。本明細書に記載されているすべての特許、記事及び他の資料の開示は、それらのすべてが参照により本明細書に組み込まれている。複数の規定の成分を「含む」ものとして記載されている組成物は、規定の複数の規定の成分を混合することによって生成される組成物を含むものと見なされるべきである。]
权利要求:

請求項1
1,3−ベンゼンジアミン化合物をアルキル化するための方法であって、第1のカルボニル化合物と1,3−ベンゼンジアミン化合物とを反応させて中間体を形成するステップであって、第1のカルボニル化合物が、1,3−ベンゼンジアミンのそれぞれの窒素上で置換されるステップ、及び第2のカルボニル化合物と該中間体とを水素及び水素化触媒の存在下で反応させてアルキル化1−3−ベンゼンジアミンを形成するステップであって、第2のカルボニル化合物が、アルキル化1,3−ベンゼンジアミンの中心芳香族環上で置換されるステップを含む方法。
請求項2
アルキル化1,3−ベンゼンジアミンが、一般式:を有する構造(I)を有する、請求項1に記載の方法[R1及びR2は、独立に、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ、構造:及び−R12CO2R13からなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ、構造:及び−R12CO2R13からなる群から選択され;mは1から8の整数であり、各Qは(C)(R9)(R10)であり、各R9及びR10は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール及びC5〜C36ヘテロシクロからなる群から選択され;R11は、水素、酸素、ハロゲン、H、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R12は、C1〜C20アルキル又はアルケニル基であり、R13は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;但し、R12は、−CH2CH2−又はCH2CH(CH3)−ではなく;R5、R6、R7及びR8は、独立に、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは水素ではない]。
請求項3
アルキル化1,3−ベンゼンジアミンが、一般式:を有する構造(II)を有する、請求項2に記載の方法[式中、R1及びR2は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R5及びR6は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5及びR6の少なくとも一方は水素ではない]。
請求項4
アルキル化1,3−ベンゼンジアミンが、からなる群から選択される構造を有する、請求項2に記載の方法[式中、m及びnは、独立に、0、1、2又は3の整数であり;p及びqは、独立に、0から18の整数であり;r及びsは、独立に、1又は2の整数であり;R3、R4、R8及びR9は、上に定義されている]。
請求項5
アルキル化1,3−ベンゼンジアミンが、N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4,6−ジベンジル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジイソブチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジブチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4,6−ジベンジル−1,3−ベンゼンジアミン、及びN1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブテニル−6−イソブチル−1,3−ベンゼンジアミンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
請求項6
第1のカルボニル化合物及び第2のカルボニル化合物が、独立に、一般式:を有するアルデヒド;及び一般式:を有するケトンからなる群から選択され、式中、R15及びR16は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ、及びR15とR16を縮合させてC4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール又はC5〜C20ヘテロシクロを生成することによって生成された環状化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
請求項7
1,3−ベンゼンジアミン化合物が、2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン及び2,5−トルエンジアミンからなる群から選択されるトルエンジアミンである、請求項1に記載の方法。
請求項8
アルキル化1,3−ベンゼンジアミン化合物が、下記式:から選択される構造を有する、請求項7に記載の方法[R1及びR2は、独立に、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ、構造:及び−R12CO2R13からなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ、構造:及び−R12CO2R13からなる群から選択され;mは1から8の整数であり、各Qは(C)(R9)(R10)であり、各R9及びR10は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール及びC5〜C36ヘテロシクロからなる群から選択され;R11は、水素、酸素、ハロゲン、H、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R12は、C1〜C20アルキル又はアルケニル基であり、R13は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;但し、R12は、−CH2CH2−又は−CH2CH(CH3)−ではなく;R5、R6及びR7は、独立に、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは水素ではなく、但し、アミンは、相互に対して中心芳香族環上の1、3位に位置する]。
請求項9
アルキル化1,3−ベンゼンジアミンが、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ベンジル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−イソブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ブテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−ジシクロヘキシル−4−ベンジル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブテニル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ベンジル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−イソブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、N1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ブテニル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、及びN1,N3−(1,3−ジメチルブチル)−4−ベンジル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
請求項10
第2の反応が20℃から300℃の温度及び100から30000キロパスカルの圧力で実施される、請求項1に記載の方法。
請求項11
水素化触媒が、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム又はニッケルからなる群から選択される金属触媒である、請求項1に記載の方法。
請求項12
a)潤滑油;及びb)請求項2、3、4又は8のいずれか一項に記載のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンを含む潤滑組成物。
請求項13
請求項2、3、4又は8のいずれか一項に記載のアルキル化1,3−ベンゼンジアミンを含む添加剤。
請求項14
下記一般式を有する化合物[式中、R1及びR2は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール及びC5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R5及びR6は、独立に、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5及びR6の少なくとも一方は水素ではない]。
請求項15
下記一般式を有する化合物[R1及びR2は、独立に、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ、構造:及び−R12CO2R13からなる群から選択され;R3及びR4は、独立に、水素、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ、構造:及び−R12CO2R13からなる群から選択され;mは1から8の整数であり、各Qは(C)(R9)(R10)であり、各R9及びR10は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール及びC5〜C36ヘテロシクロからなる群から選択され;R11は、水素、酸素、ハロゲン、H、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;R12は、C1〜C20アルキル又はアルケニル基であり、R13は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20アリール、C5〜C20ヘテロシクロからなる群から選択され;但し、R12は、−CH2CH2−又は−CH2CH(CH3)−ではなく;R5、R6及びR7は、独立に、C1〜C36アルキル、C2〜C36アルケニル、C4〜C36シクロアルキル、C5〜C36アリール、C5〜C36ヘテロシクロ及び水素からなる群から選択され、但し、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは水素ではなく、但し、アミンは、相互に対して中心芳香族環上の1、3位に位置する]。
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